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南風病院の取り組み

2015年11月25日

先日行われた日本医療マネジメント学会九州山口連合大会において、
鹿児島県唯一のⅡ群病院である、南風病院の取り組みが注目を集めていました。
発表者の許可を得ることができたため、当ブログにて紹介したい思います。

「入院後に発症した誤嚥性肺炎の追加的医療資源量」という演題で発表された当事例は、
症例数や手術数の増加といったポジティブな指標に比べて評価のされにくい、
リスク低減活動に対する経済的評価を行う目的で実施された取り組みです。

研究では、過去3年分の患者データを用いた分析が行われており、
入院後の誤嚥性肺炎発症によって、在院日数は17.2日、
入院医療費は61.9万円増えることが推計されたそうです。
これらの結果を明らかにしたことで、入院中の誤嚥性肺炎に対する予防活動の適正評価と、
関連するNSTや嚥下訓練などの医療スタッフの意欲向上が期待されたとのことでした。

こういった取り組みは、医療の質を高めるだけではなく、
効率性係数や診療単価の向上など、経営的な観点からも有効な施策となります。
これまで実施していなかった病院の方は、試してみてはいかがでしょうか。

肝心な分析手法についてですが、
入院患者のデータを主病名・入院契機病名・手術術式・性別・年齢などで紐付け、
入院中に誤嚥性肺炎を発症した患者とそうでない患者の比較分析を実施しているそうです。
発表を行った情報分析課の小原課長は、統計学的な見地で研究結果をまとめていましたが、
そういった点を除けば多くの病院で実施できる汎用性の高い取り組みではないかと思います。

なお、この発表は当学会において優秀演題に選ばれたことから、
小原課長は最終日の閉会式で表彰されていました。
この他にも様々な研究を行っている方なので、これからも興味深く追いかけていきたいと思います。

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