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病院管理学会(1日目)

2015年11月5日

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11月5日~6日にかけて、
福岡県福岡市のアクロス福岡にて開催された、
第53回日本医療・病院管理学会学術総会に参加してきました。

「2025年への挑戦 問われる日本の医療・病院管理」と銘打った当学会では、
そのテーマにふさわしい未来志向の取り組みがいくつも発表されていました。
備忘録も兼ねて1日目の内容を取り上げたいと思います。

基調講演では、九州大学の清原先生が取り組んでいる久山町研究に関する発表がありました。
研究によると、60歳以上の住民が死亡までに認知症を発症する確率は55%にもなるそうです。

この衝撃的な推計を導き出した久山町研究は、久山町に住む40歳以上の住民を対象としたもので、
受診率(80%)・剖検率(75%)・追跡率(99%)の高さによって、
偏りが発生するリスクを抑え、精度の高い研究ができるという特徴があります。
また、研究の舞台となっている久山町は、人口の構成が日本の平均に近いことにより、
日本の現状や将来を予測するサンプル集団として、適切な研究対象であるそうです。

発表では、認知症研究が始まった1985年以降、有病率が増加し続けていることを挙げ、
認知症の増加はアルツハイマー病の増加による影響が大きいこと、
アルツハイマー病の増加には生活習慣病の1つである糖尿病が関係していることを指摘し、
生活習慣の変化が認知症の増加を生み出しているとおっしゃっていました。

冒頭に挙げた発症率55%という推計は、厚生労働省の推計よりも多いのですが、
久山町研究では以前から厚生労働省の推計が過小評価であることを指摘しており、
これまでの推移を見ても久山町研究の方が実態に近い推計となっていたようです。
これを受けた厚労省は、来年度以降、久山町研究と同様の大規模調査を行うことを決定しています。

発表の結びには、これまでの研究によって分かった認知症予防に関する話がありました。
禁煙や食生活パターンの改善によって有意に発症リスクは抑えられるそうです。
認知症に対する有効な治療法がない現在では、予防が最も有効な対策となるため、
今後の久山町研究や2016年度以降に行われる厚労省の調査結果を注視していきたいと思います。

その他にも、田主丸中央病院と熊本機能病院によるケアミックス病院の経営に関するセミナー、
聖路加国際病院によるQI改善の取り組みに関する特別講演などが実施されていました。
1日を通して参考になることが多数あったので、当サイトの運営に生かしていきます。

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